病院受診

診察料の計算方法!!「健康保険証」を提示する理由

病院やクリニックを受診する際に必ず提示を求められる「健康保険証」

毎日、通院していたとしても、月に一度は提示を求められます。

病院やクリニックの受付で提出するので、診察料に関係しているように感じますが、健康保険証を提示することにどのような意味があるのでしょうか?

病院やクリニックにおいて、健康保険証を提示する理由を診察料の計算方法と合わせて説明します。

病院やクリニックの診察代

病院やクリニックの診察料って、どのように計算されているのかとても不思議に思うことがあります。

でも、調べてみると診察料の計算は、意外と単純に計算されています。

病院やクリニックでは、受診をした患者を医師が診察し、その病状や症状に合わせて検査や治療などが行われます。

その行われる診察や検査、治療のことは、総称して「診療行為」と呼ばれます。

この診療行為には、行われるすべての行為に国によって金額が設定されているのですが、診察料はこの診療行為ごとの金額を合計することで計算されています。

【病院の診察】病院で支払う「診察代」の計算方法とは?診療報酬明細書を見ても意味が分からない!!

国が定めた「診療行為」ごとの金額を合計する

  • 医師の診察   ➡ ○○点
  • 採血の検査   ➡ ○○点
  • レントゲン撮影 ➡ ○○点
  • ケガの処置   ➡ ○○点
  • 薬の処方    ➡ ○○点

※1点=10円

診療報酬明細書では、診察料の請求金額は「○○円」で表記されているのですが、各項目に記載されている内訳の金額は、「○○点」と表記されています。

診療行為ごとの金額設定

先ほど、病院やクリニックで行われる診療行為には、それぞれ金額が設定されていることを説明しましたが、いくらぐらいの金額設定になっているのでしょうか?

その一部を紹介すると、下に記載したようになります。

  • 医師の診察(初診):288点
  • 医師の診察(再診):73点
  • 採血       :35点+α(調べる項目によって変化)
  • 処置       :52点(範囲によって変化)
  • レントゲン撮影  :210点(部位、枚数によって変化)
  • 薬の処方     :42点(処方の内容によって変化)

一覧を見ると、診療行為の項目によっては金額が変化するものがあります。

この金額の変化は、それぞれの診療行為の中身が変化することによるものです。

① 採血の金額の変化

採血は、「採血を行う手技料」と「採取した血液データを調べる検査料」とで金額が分かれています。

そのため、調べる血液データの項目が多い場合には、診察料は高くなっていきます。

② 処置の金額の変化

処置は、処置が必要な傷の範囲で金額が設定されています。

もちろん、この金額は傷の範囲が広いほど高くなっていきます。

③ レントゲン撮影の金額の変化

レントゲン撮影は、撮影する部位や撮影回数で金額が変化します。

そのため、撮影する部位や撮影回数が多くなると、その分金額が高くなっていきます。

また、CT検査やMRI検査などは、医療機器の性能によっても金額が変化し、同一部位を検査した場合でも、性能が良い方が高い金額になります。

④ 薬の処方による金額の変化

薬の処方は、処方する薬の種類や数によって金額が変化します。

健康保険証の提示

病院やクリニックを受診した際の診察料は、診察や採血などの検査、薬の処方など行った診療行為の金額を合計した金額です。

でも、実際に窓口で支払う金額は、全部の金額ではなく一部の金額です。

この一部の金額は、1~3割の間で負担額が決められています。

この負担額を確認するために提示してもらうのが「健康保険証」になります。

健康保険証には、働いている職場や年齢によって種類があり、その種類によって一部負担金が変化します。

病院では、この負担金に間違いがないように、月に一度は健康保険証を提示してもらい、確認をするようにしています。

日本では、昭和36年から「医療保険制度」が整備され、国民は ”医療保険”に加入することが原則となりました。それにより、病院を受診するときには健康保険証を提示することで一部の負担金で医療を受けることができます。この「一部の負担金」ですが、人によって支払う金額はさまざまで、診察料を全額支払う必要がある人がいれば、1割だけの支払いでいい人もいます。

健康保険証の種類

「健康保険証」には、職種や年齢ごとに種類があり、それぞれで分類されています。

  • 健康保険      ➡ 一般の会社員
  • 船員保険      ➡ 船乗り
  • 共済組合保健    ➡ 公務員
  • 国民健康保険    ➡ 自営業
  • 後期高齢者医療保険 ➡ 75歳以上の高齢者

この健康保険証は、ずっと同じ保険証を持つわけではなく、職場が変わると医療保険も切り替わります。

仮に、18歳から30歳まで公務員として働き、その後、31歳から40歳まで一般の会社で働き、41歳から自営業で現在まで至るとします。

すると、下のようになります。

  • 18歳から30歳まで公務員   ⇒ 共済組合保険
  • 31歳から40歳まで一般の会社 ⇒ 健康保険
  • 41歳から自営業        ⇒ 国民健康保険

年齢による負担割合の違い

健康保険証を提示することで、医療費の負担額が1~3割になります。

もしも、医療費の総額が3,000円だったとすると、

  • 3割負担 ➡ 900円
  • 2割負担 ➡ 600円
  • 1割負担 ➡ 300円

という負担額になります。

この負担割合は、年齢によって変化し、0歳から義務教育就学前なら2割負担に、70歳から74歳も2割負担、75歳以上になると1割負担になります。

ただ、70歳以上の方については、所得が大きいと負担割合は3割のままで変化しません。

  • 0歳~義務教育就学前        :2割負担
  • 義務教育就学後~70歳未満     :3割負担
  • 前期高齢者医療制度(70歳~74歳):2割負担・3割負担
  • 後期高齢者医療制度(75歳以上)  :1割負担・3割負担

※70歳以上の現役並所得者は3割負担

病院やクリニックを受診し会計を済ませると、診療報酬明細書を受け取りますが、その診療報酬明細書にも負担割合が記載され、診察料の計算がされています。

健康保険証を忘れた場合はどうなるのか?

健康保険証を提示することで、診察料の負担額が変わりますが、健康保険証を忘れる方もいます。

これだと、医療機関では健康保険証を提示してもらえないので負担割合を確認できません。

このような場合は、全額自己負担となり、すべての診察料を自分で支払わなければいけなくなります。

病院を受診する際には、健康保険証を忘れずに持っていくことが重要なのはこのためです。

健康保険証を忘れた患者への医療機関の対応

健康保険証を忘れた患者は、診察料の全額を支払う必要があります。

ただし、後日、病院の窓口へ健康保険証を提示することで、負担額以外の金額を返金してもらうことができます。

仮に、3,000円の診察代だったとすると、その場で全額の3,000円を支払い、後日、病院の窓口に健康保険証(3割負担)を提示しに行くことで、負担額以外の2,100円を返金してもらうことができます。

仕事を転職する方への注意点

一般に働いている方は、会社から健康保険証を渡されます。

この健康保険証は、その職場で働いているからこそ使用できるものです。

もしも、仕事を辞めてしまった場合には、退職日以降その会社から渡された健康保険証は使用できなくなってしまうので注意が必要です。

もしも、病院に行く必要があるのならば、退職前に受診を行うようにしましょう。

まとめ

病院やクリニックを受診した際に行われる診療行為には、すべてに金額が設定されています。

そして、行われた診療行為の金額をすべて合計したものが診察料となり請求されます。

診察料の請求の際には、病院やクリニックの受付窓口で健康保険証の提示を求められますが、これは、その方の負担額(1~3割)を確認するために行っています。

この健康保険証の確認は、同じ医療機関に通院する場合においても毎月行います。

健康保険証の確認を毎月行う理由は、年齢による保険証の切替えや勤務先の変更がないかを調べるためです。

もしも、健康保険証の切替えなどがある場合には、負担額が変わる可能性があります。

そのため、病院やクリニックの受付では、注意深く確認を行うようにしています。

同じ会社でずっと働いている方は、健康保険証の切り替えはありませんが、仕事をよく変わる人は健康保険証もよく切り替わります。

仕事を退職した次の日から、その健康保険証は使用できないので注意が必要です。