病院受診

『診療報酬明細書』その項目の中身をわかりやすく解説

病院やクリニックで診察料を支払ったときにもらう「診療報酬明細書」

スーパーで言うところのレシート(領収書)のようなものなのでしょうが、その中身を見てもまったく意味が分かりません。

実際に、病院で働いている知り合いに聞いても、よく分からないと言われます。

あれって、病院やクリニックの受付にいる医療事務の人しか理解できないのかもしれません(^^;)

ただ、診察料としてお金を支払っている方としては、その中身を知りたいと思いますし、同じように考えている方もいるかもしれません。

そんな方のために、病院やクリニックを受診すると渡される「診療報酬明細書」の記載内容について説明していきます。

「診療報酬明細書」の中身

「診療報酬明細書」は、病院やクリニックを受診した際に ”領収書” として渡されます。

普段、スーパーやコンビニなどで買い物をしたときに渡されるレシートと同じようなものです。

スーパーのレシートを見ると、買った物も商品名と金額が分かりやすいように記載されていますよね(^^)/

ただ、買い物のレシートと同じ感覚で診療報酬明細書を見ても、まったく何が記載されているのかわかりません(-_-;)

確認をすることができるのは ”請求額” の部分ぐらいです。

これってどうなんだろうって思っちゃいます。。。(^^;)

健康保険証を提示しているので、一部の負担金の支払いで済むとはいっても、何にどのくらいの金額がかかったぐらいは知りたい方もいるのではないかと思います。

診療報酬明細書に記載されている内容には、いったいどんな意味があるのでしょうか?

記載されている”謎の項目”

スーパーやコンビニで買い物をした場合、そのレシートには ”刺身・豚肉・鶏肉・納豆・卵・トマト・ジュース” など、購入した品物とその金額が分かりやすいように記載されています。

それに比べ、診療報酬明細書には下の項目が記載されています。

  • 初・再診料
  • 医学管理等
  • 在宅医療
  • 投薬
  • 注射
  • 処置
  • 手術
  • 麻酔
  • 検査
  • 画像診断
  • リハビリテーション
  • 精神科専門療法
  • 放射線治療
  • 病理診断
  • 入院料等

この謎の項目はなんなのでしょうか???

診療報酬明細書に記載されている ”謎の項目” は、病院を受診した際に行った医療行為を分類して記載したものです。

診療報酬明細書の項目 ➡ 行った医療行為を分類したもの

病院やクリニックでは、医師が行う診察・看護師が行う採血や血圧測定・レントゲン技師が行うレントゲン撮影など必要に応じてさまざまな医療行為を行われます。

その行われた医療行為を分類するときに使用するのが、先ほどの”謎の項目”になります。

診療報酬明細書に記載されている項目ごとに、どのような医療行為が分類されるのかの一部を抜粋して書き出しました。

初・再診料

「初・再診料」の項目には、初めて診察を受けた場合のお金(初診料)や2回目以降の診察を受けた場合のお金(再診料)、また、病院の診療時間外に受診した際にかかるお金(時間外加算)などが分類されます。

病院を受診した際には必ずかかるお金です。

  • 診察に関するお金
  • 休日や病院の診療時間外に診察をしてもらった際の割増料金

医学管理等

「医学管理等」の項目には、特定の病状に対しての説明や薬の管理、栄養の指導などを行うときに発生するお金が分類されます。

その種類は、心臓病や糖尿病、てんかんなどの患者様への薬の指導、管理栄養士が行う栄養指導(食生活の見直し)など数多くあります。

  • 特殊な病状の場合に追加で徴収される割増料金

在宅医療

「在宅医療」の項目には、医師が患者様の家に出向き診察を行った際のお金(往診料)など在宅での医療行為にかかるものが分類されます。

  • 自分の家で診察、治療を行った際のお金

投薬

「投薬」の項目には、診察した後に医師が患者様の病状に合わせて薬を処方した場合のお金(処方料)などが分類されます。

  • 医師が患者様の病状に合わせて薬を選んでくれたときのお金

注射

「注射」の項目には、項目の名前の通り ”注射” をしたときのお金を分類したものです。

注射にも種類があり、皮下・筋肉内への注射、静脈内への注射、動脈内への注射などがあります。

  • 注射をしてもらったときのお金

処置

「処置」の項目には、転んだときなどにできるすり傷の治療(創傷処置)やヤケドの治療(熱傷処置)、便秘のときにする浣腸(高位浣腸、高圧浣腸、洗腸)、魚の目やタコの治療(慧眼・胼胝処置)、リハビリでの電気治療(消炎鎮痛処置)、手や足の骨折時のギブスの製作(四肢ギブス包帯)など体の症状に対して行う簡単な治療に関するお金が分類されます。

  • 体の症状に対して行う簡単な治療に関するお金
  • すり傷の治療
  • やけどの治療
  • 浣腸
  • 魚の目、たこの治療
  • リハビリでの電気治療
  • 手術の必要のない骨折へのギブスの作成 など

手術

「手術」の項目には、切り傷・刺し傷に対して縫合等を伴う治療(創傷処理)や骨折時の傷口を開かないで行う骨の整復(骨折非観血的整復術)、骨折時の傷口を開いて行う手術(骨折観血的手術)、爪白癬への爪を取り除く手術(爪甲除去術)など、体の症状に対して行う複雑な治療に関するものが分類されます。

  • 体の症状に対して行う複雑な治療に関するお金
  • 切り傷、刺し傷への縫合
  • 傷口を開く必要がなくても、折れた骨を動かして元の位置で固定する必要がある骨折
  • 傷口を開き、折れた骨を元の位置で固定する必要がある骨折
  • 爪白癬において爪を除去する治療 など

麻酔

「麻酔」の項目には、痛みの治療に際して、神経ブロックなどの麻酔治療を行ったときのお金などが分類されます。

  • 痛みの症状に対して ”麻酔薬” を使用した治療をしたときのお金

検査

「検査」の項目には、検尿の検査(尿中一般物質定性半定量検査)、採血による血液検査(血液形態・機能検査、血液化学検査、血液採取など)、心電図(心電図検査)、お腹の超音波検査など(超音波検査)、胃カメラの検査(胃・十二指腸ファイバースコピー)など、体の組織を採取するものから医療機器によって検査を行うものまで広い範囲のものが分類されます。

  • 体の症状や病状に合わせて行った検査に関するお金
  • 検尿
  • 採血
  • 心電図
  • 超音波(エコー)検査
  • 胃カメラ

画像診断

「画像診断」の項目には、レントゲン撮影(撮影、写真診断)、胃透視などの透視撮影(透視診断)、CT撮影(コンピューター断層撮影)、MRI撮影(磁気共鳴コンピューター断層撮影)などレントゲンに関する検査が分類されます。

  • レントゲンに関する検査に対してのお金

リハビリテーション

「リハビリテーション」の項目には、患者様の病状に合わせたリハビリテーションの実施(心大血管リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料など)やリハビリテーションに関する評価の書類(リハビリテーション総合計画評価料)、摂食機能障害に対しての機能訓練(摂食機能療法)などリハビリテーションに関するものが分類されます。

  • リハビリテーションを受けたときのお金

精神科専門療法

「精神科専門療法」の項目には、アルツハイマー病やてんかん、睡眠障害など精神に関する病状に関する治療が分類されます。

  • 精神科で行う専門的な治療にかかるお金

放射線治療

「放射線治療」の項目には、悪性腫瘍に対しての放射線を使った治療に関するものなどが分類されます(体外照射、ガンマナイフによる定位放射線治療、直線加速器による放射線治療、粒子線治療、密封小線源治療など)。

  • 放射線治療を行った際のお金

病理診断

「病理診断」の項目には、体の一部を採取し、その組織を検査、診断を行う病理診断に関するものが分類されます。

  • 組織を採取し病理診断を行った際のお金

入院料等

「入院料等」の項目には、病院への入院に関するものが分類されます。外来で病院を受診した際には使用することがあまりありません。

  • 入院に関するお金

”○○点?”って何だろう?

”謎の項目”を表すものは、行った医療行為を分類したものだということは理解できました。

次に気になるのは、その分類された項目ごとにある「○○点」という部分です。

診療報酬明細書では、診察代の請求金額は「○○円」で表記されているのですが、各項目に記載されている内訳の金額は、「○○点」と表記されています。

これは医療の中での独特な単位で、「1点=10円」で計算するように決められています。

1点 = 10円

医療では、その医療行為ごとに金額が設定されていて、それを合計して医療費を請求できるようになっています。

10点なら100円、50点なら500円、100点なら1,000円という計算になるということです。

診療報酬明細書を見たときに、項目の右側に点数がついていれば、その項目の医療行為を行ったということになります。

保険適用・保険適用外・ 自費

診療報酬明細書には「保険適用・保険適用外・自費」などの欄があるものがあります。

この3つは、行った診療が医療保険の適用になっているかどうかを表しています。

医療保険制度の成り立ち

日本では、昭和36年から医療保険制度が整備され、国民は ”医療保険” に加入することが原則となりました。

それにより、病院を受診するときには「健康保険証」を提示することで一部の負担金で医療を受けることができます。

診療報酬明細書には、医療保険の適用になるものは「保険適用」の欄に、医療保険の適用にならないものは「保険適用外」に、医療保険を使用しないものは「自費」の欄に記載されるようになっています。

保険適用 医療保険の適用になるもの
保険適用外 医療保険の適用にならないもの
自費 医療保険を使用しないもの

① 医療保険の適用になるもの

病院を受診した際に医療保険の適用になるものは、風邪などの病気や捻挫や骨折などのケガ、悪性腫瘍の治療など、患者様の身体に対して検査・治療が必要と認められるものです。

保険適用:診察代の一部を支払う

② 医療保険の適用にならないもの

病院を受診したとしても医療保険の適用にならないものは、健康診断などの健康な状態な方が受ける検査や自分が綺麗になるために行う美容整形などです。健康診断については、医療保険の適用になりませんが、もし健康診断で何か病状が発見されたときには、その先に行う検査・治療は医療保険の適用になります。

保険適用外:診察代の全額を自分で支払う

③ 自費で支払いを行うもの

病院で手術や入院をしたことの証明するために、診断書を記載してもらうときなどにかかる金額にあたります。

自費:診察代の全額を自分で支払う

まとめ

病院やクリニックを受診した際に受け取る「診療報酬明細書」は、病院で働いている人でも、医療事務の経験がなければどのようなことが記載されているかはほとんど理解できません。

ただ、何も理解しないままに診察料を支払うのが微妙な方もいらっしゃると思います。

そのような方が今回の記事を読んで、診療報酬明細書に記載されている中身を理解してもらえたらと思います。