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4回目の新型コロナウイルスワクチンとその予防効果

4回目の新型コロナウイルスワクチンの予防接種が始まりました。

3回目の予防接種をしても罹患してしまうことや接種による副反応が強いという理由で、4回目の予防接種を受けたくないという声も聞こえますが、実際4回目の予防接種の効果はどうなのでしょうか?

今回は、4回目の新型コロナウイルスワクチン予防接種の概要と期待できる予防効果についてまとめていこうと思います。

4回目の新型コロナウイルスワクチンの接種対象者

4回目の新型コロナウイルスワクチンの予防接種の対象者は、3回目の予防接種から5ヵ月以上が経過した以下の方が対象になります。

対象者備考
60歳以上の方・特になし
18歳~59歳・基礎疾患を有する方
・その他重症化リスクが高いと医師が認める方

重症化リスクの高い基礎疾患を有する者の範囲について

18歳~59歳までの対象者には「基礎疾患を有する方」と「その他重症化リスクが高いと医師が認める方」の2つが挙げられていますが、それぞれ以下の内容になります。

● 以下の病気や状態の方で、通院/入院している方

  • 慢性の呼吸器の病気
  • 慢性の心臓病(高血圧を含む。)
  • 慢性の腎臓病
  • 慢性の肝臓病(肝硬変等)
  • インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
  • 血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
  • 免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)
  • ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
  • 免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
  • 神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
  • 染色体異常
  • 重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)

● 基準(BMI 30以上)を満たす肥満の方

BMIとは身長からみた体重の程度を示す体格指数で「Body Mass Index」の略です。

BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

の計算式で求めることができます。

BMIでは、値が25以上で肥満とされ、30以上になると高度肥満とされます。

身長別にBMI 30の場合の体重をまとめると下の表のようになります。

身長(㎝)BMI体重(kg)
1403058.8
1503067.5
1603076.8
1703086.7
1803097.2

4回目の新型コロナウイルスワクチンの有効性は?

4回目の新型コロナウイルスワクチンの有効性が気になるところですが、ファイザー製ワクチンにおいて以下のような報告がされています。

いずれも3回目接種と比較した4回目接種についてもので、

  • 感染予防効果は、60歳以上の者において短期間しか持続しなかった一方、重症化予防効果は4回目接種後6週間低下しなかったとする報告
  • 接種後30日間で、感染予防効果が45%、発症予防効果が55%、入院予防効果が68%、重症化予防効果が62%、死亡予防効果が74%であったとする報告
  • 60歳から100歳の者において、死亡、入院のハザード比がそれぞれ78%、64%減少したとの報告

と、感染予防効果については短期間しか持続しないけど、重要化予防効果については持続するみたいです。

これらのことを考えると、ワクチン接種に億劫になっている方にも根拠を持って接種をすすめてもよいのかもしれません。

4回目の新型コロナウイルスワクチン|まとめ

3回目のワクチン接種をしても感染した知り合いがいることや、自分がワクチン接種での副反応が強く出ることを考えると、4回目の予防接種を受けることに少し抵抗があります。

また、重要化予防効果は維持されるとしても、感染予防効果は2~3ヵ月で低下するみたいなので、たった2~3ヵ月で感染への効果が減少してしまうのか…といった感じです。

有効性がまったくないということは理解できるのですが、少し考えてしまします。

今回は5ヵ月という間隔での予防接種になりますが、最低でもこの5ヵ月という期間は感染予防効果があることが理想的です。