病院の検査

レントゲンの検査料は撮影部位と撮影回数で変化する!?|病院ごとで異なる撮影回数

病院で実施される「レントゲンの検査」には、X線撮影やCT撮影など、様々なものがあり、患者様の状態や症状に対して必要な検査を行っています。

今回は、その中でも一番簡便に行われている一般撮影(単純撮影)について説明していきます。

レントゲンの検査について

レントゲンの検査とは、X線の体の透過率を利用して骨や臓器を写真に映し出す検査で、健康診断などで撮影される ”胸のレントゲン撮影” や整形外科で撮影される ”骨のレントゲン撮影” があてはまります。

レントゲン撮影は、どの撮影においても、医師がその必要性があると判断した場合に、撮影の指示が出ます。

実際、どのような症状でどの部位の撮影指示が出るのかを挙げてみました。

  • ドアで指をはさんだ      ➡ 指骨
  • 転んで頭を打った       ➡ 頭蓋骨
  • 転んで膝を強打した      ➡ 膝関節
  • 転んで足首をひねった     ➡ 足関節
  • はしごから落ちて背中を打った ➡ 胸腰椎、肋骨
  • 机のかどで脇腹を打った    ➡ 肋骨
  • 台のかどで足の小指を打った  ➡ 第5趾

レントゲン撮影の医療費の考え方

レントゲン撮影の医療費は、”撮影する部位””撮影する回数”によって金額が変わります。

平成30年4月時点でのレントゲン撮影の金額は、下の表のようになっています。

撮影枚数「頭から太もものつけ根」
頭・首・胸・お腹など
「二の腕から指先」
「太ももから足先」
肘・手・指・膝・足首・趾など
1枚2,100円
(3割:630円)
1,680円
(3割:504円)
2枚2,870円
(3割:861円)
2,240円
(3割:672円)
3枚3,630円
(3割:1,089円)
2,790円
(3割:837円)
4枚4,400円
(3割:1,320円)
3,350円
(3割:1,005円)
5枚以上5,160円
(3割:1,548円)
3,900円
(3割:1,170円)

① 撮影する部位

撮影する部位は、以下の2つに大きく分類されます。

  • 頭・首・体幹・骨盤など体の中心にあたる部分
  • 腕や脚などの部分

この大きく2つに分けた部分のうち、「頭・首・体幹・骨盤など体の中心にあたる部分」を撮影したときの方が金額は高くなります。

② 撮影する回数

撮影回数は「1回、2回、3回、4回、5回以上」の5段階に分類されています。

  • 1回
  • 2回
  • 3回
  • 4回
  • 5回以上(これ以上の回数は一定)

撮影する回数は、回数が増えるほど金額が高くなりますが、5回以上の撮影を行っても一定の金額になります。

レントゲン撮影の診察料

病院受診した際に、レントゲン撮影をしたときのながれと会計情報をまとめました(3割負担の場合)。

受 付
0円

診 察
初診料288点 2,880円

レントゲン撮影
1,680~5,160円

病院の会計
2,880+680+1,680~5,160円
=5,240~8,720円
3割負担:1,572~2,616円

「病院の会計」で1,500~3,000円ぐらい

診察とレントゲン撮影のみであれば、1,500~3,000円ほどの支払いになると思います。

もしも、これに痛み止めや湿布などの薬が処方された場合には、少し金額が上がります。

レントゲン撮影の実際

レントゲン撮影は、部位ごとに推奨の撮影方法が決められています。

どの部位においても、2方向撮影が基本の撮影になり、医師の指示によって、4方向や6方向に撮影回数が増えていきます。

これは、診療科の違いによって顕著に現れ、整形外科を診療科として掲げている病院やクリニックでは、撮影回数が多くなる傾向にあります。

例を挙げるとすれば、腰椎(腰の骨)の撮影です。

腰椎は、内科で撮影する場合には正面と側面の2枚、整形外科で撮影する場合には正面、側面、斜位、前屈、後屈の4~6枚の撮影を行うことが多いです。

内科の腰椎撮影

正面像

側面像

整形外科の腰椎撮影

正面像

側面像

右前斜位像

左前斜位像

前屈位:体を丸めた状態

後屈位:体を反った状態

※正面像と側面像は内科と同じ

体の部位ごとのレントゲン撮影

レントゲン撮影が、部位ごとにどのように撮影されているかは、2方向以上の撮影が基本となりますが、部位によっては2方向以上の撮影を行うことがあります。

撮影部位撮影回数撮影方向
頭部(頭の骨)2~3回正面、側面、その他(目的に合わせて追加撮影)
頸椎(首の骨)2~7回正面、側面、右前斜位、左前斜位、前屈、後屈、開口位
胸椎(背骨)2~4回正面、側面、右前斜位、左前斜位
腰椎(腰の骨)2~6回正面、側面、右前斜位、左前斜位、前屈、後屈
仙骨、尾骨(おしりの真ん中の骨)2回正面、側面
肩関節(肩が痛いとき)2回正面、斜位
骨盤(お尻全体の骨)、股関節(太もものつけ根の関節)1~3回正面、斜位、軸位
肘関節(ひじが痛いとき)2回正面、側面
手関節(手首の骨)2回正面、側面
手、指2回正面、側面
膝関節(膝が痛いとき)2~3回正面、側面、軸位
足関節(足首が痛いとき)2~3回正面、側面、ストレス(無理やりひねって撮影)
足、足趾2回正面、斜位

レントゲンの検査|まとめ

診察において、レントゲン撮影が必要になったとしても、撮影部位や撮影回数が多くならなければ、そこまで診察料は高くはなりません(1,500~3,000円ほどの支払い)。

ただ、これはあくまでレントゲン撮影のみだった場合です。

レントゲンの検査は、レントゲン撮影だけではなく、CT検査やMRI検査、超音波検査など多くのものがあります。

レントゲン撮影の画像を確認し、他の検査の必要性がある場合には、追加で検査を行わないといけなくなります。

これらの検査の検査料は、意外と高いものが多く、追加された場合には、診察料は意外に高くなります。