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新型コロナウイルス感染症に対する4つの検査を解説(PCR検査・抗原定量検査・抗原定性検査・抗体検査)

新型コロナウイルス感染症に対する検査には、「PCR検査・抗原検査・抗体検査」などがありますが、検査名を言われてもいまいちどのような検査を行っているのか分かりづらいです。

そこで、今回はこれらの検査がどのような検査なのかをまとめてみました。

検査の中身を知ることで新型コロナウイルス感染症に対する知識を深めていきましょう。

新型コロナウイルス感染症に対する検査

現在、新型コロナウイルス感染症に対する検査には、下の4つの種類があります。

  • PCR検査
  • 抗原検査(抗原定量検査)
  • 抗原検査(抗原定性検査)
  • 抗体検査

この4つの検査はいづれも新型コロナウイルスへの感染状況を調べる検査ですが、検査の目的がことなり

  1. 現在の感染の有無を調べる
  2. 過去の感染の有無を調べる

の2通りの目的があります。

ちなみに、”現在の感染の有無を調べる”のはPCR検査と抗原検査で、”過去の感染の有無を調べる”のは抗体検査になります。

この2通りの目的から感染の疑いがある場合には、PCR検査か抗原検査が行われることが分かります。

PCR検査(遺伝子増幅検査)

PCR検査は、現在の新型コロナウイルス感染症を調べる最も主たる検査法となっています。

検体として、鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液・喀痰・唾液等を用い、検体内のウイルスを特殊な検査機器で増幅して検査を行います。

そのため、検査機器やそれを使用できる技術者が必要になりますが、少ないウイルスでも検出することができる最も精度の高い検査になります。

  • 他の検査に比べて精度が高い
  • 少ない量のウイルスでも検査ができる
  • 特殊な検査機器が必要
  • 一定以上の技術を持った技術者が必要
  • 他の検査に比べて時間がかかる

抗原定量検査

抗原定量検査は、鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液・唾液を用いて「抗原の量を調べる」ものです。

大型の機器を使用して検査をするので、抗原定性検査よりも少ない量のウイルスを検査することができますが、PCR検査よりも感度は劣ります。

無症状者の検査を対象とする空港検疫所などで用いられています。

  • PCR検査に比べると簡易的に検査を行うことができる
  • 抗原定性検査に比べて少ない量のウイルスを検査できる
  • PCR検査よりも感度が劣る
  • 特殊な検査機器が必要

抗原定性検査

抗原定性検査は、鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液を用いて「抗原の量を調べる」ものです。

抗原を採取した場所ですぐに検査ができ30分以内に検査結果も出ますが、一定量以上のウイルスが”いる”か”いない”かを判定するだけのものなので、感染していても一定量以下のウイルスしかいない場合には陰性と判定されてしまいます。

大型の検査機器などを必要としないため、医療機関に限らず高齢者施設や学校などでも検査が行えるメリットがあります。

  • 簡易的に検査を行うことができる
  • 検査結果が30分以内に分かる
  • 検査機器が必要ない
  • 高齢者施設や学校などでも検査を行える
  • 一定の量以上のウイルスがいないと陽性とならない
  • 感染していても陰性に出ることがある

抗体検査

抗体検査は、新型コロナウイルスへの過去の感染の有無を調べる検査なので、現在の感染状況を調べる検査ではありません。

そのため、PCR検査で陰性でも抗体検査で陽性になった場合には、過去に感染したことがあることを示しています。

検査は血液内の抗ウイルス抗体を検出することで行います。

  • 過去の感染の有無を調べることができる
  • 現在の感染の有無は調べることができない

新型コロナウイルス感染症に対する検査|まとめ

ニュースなどで見聞きする新型コロナウイルス感染症に対する検査ですが、検査の種類は複数あり検査ごとでその特徴も異なります。

新型コロナウイルスに対する検査をして陰性であっても、数日後に陽性になったということを耳にすることがありますが、実施した検査によるものなのかもしれません。

もしご自身や身近にいる人で感染の恐れがあり検査を受ける場合には、検査の信頼度を知っておくことはとても重要なことです。

今回まとめた検査の中身を理解し、ご参考にしていただければと思います。

検査の種類PCR検査
(遺伝子増幅検査)
抗原定量検査抗原定性検査抗体検査
目的現在の感染現在の感染現在の感染過去の感染
検体・鼻咽頭ぬぐい液
・鼻腔ぬぐい液
・喀痰
・唾液
・鼻咽頭ぬぐい液
・鼻腔ぬぐい液
・唾液
・鼻咽頭ぬぐい液
・鼻腔ぬぐい液
・血液
調べるものウイルスを特徴づける遺伝子配列ウイルスを特徴づけるタンパク質(抗原)ウイルスを特徴づけるタンパク質(抗原)感染後にできた抗体
精度かなり高い・PCR検査よりは劣る
・抗原定性検査よりは高い
検出には一定以上のウイルス量が必要確立されていない
検査機器必要必要・必要なし
・キットで検査
・簡便で早い
必要
施設・国立感染症研究所
・医療機関
・検査センター
・一定規模以上の病院
・空港検疫所
・小規模施設・疫学調査などで用いられる