医療情報

マスクの着用の考え方|就学前児の取扱いについて

新型コロナウイルス感染症への基本的な感染対策として、マスクの着用は極めて重要とされています。

ただ、マスク着用に関して「どういった場面で外してよいのか」という声や、「表情が見えにくくなる」という声もあがっており、また、気温・湿度が高くなる季節での熱中症のリスクも懸念されています。

このような中で、令和4年5月19日の厚生労働省アドバイザリーボードによって屋外と子どものマスク着用についての考え方が示されました。

今回はこの内容がどのようなものなのかを具体的にまとめていきます。

「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」は、新型コロナウイルス感染症対策を円滑に推進するに当たって必要となる、医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な事項について、厚生労働省に対し必要な助言等を行うものです。

屋外・屋内でのマスク着用について

● マスク着用は従来同様、基本的な感染防止対策として重要です。一人ひとりの行動が、大切な人と私たちの日常を守ることに繋がります。

● 屋外では、人との距離(2m以上を目安)が確保できる場合や、距離が確保できなくても、会話をほとんど行わない場合はマスクを着用する必要はありません。

● 屋内では、人との距離(2m以上を目安)が確保できて、かつ会話をほとんど行わない場合はマスクを着用する必要はありません。

① 屋外でのマスク着用について

  • ランニングなど離れて行う運動や、鬼ごっこのような密にならない外遊びなど、屋外で2メートル以上を目安として他者との距離が確保できる場合はマスクを着用する必要はありません。
  • 徒歩での通勤など屋外で人とすれ違うことはあっても、会話はほとんど行わない場合はマスクを着用する必要はありません。屋外であっても近い距離で会話をするような場面では、引き続きマスクの着用を推奨します。
  • 夏場は熱中症になるリスクが高くなるので、上記のマスクを着用する必要がない場面ではマスクを外すことを推奨します。
マスクの着用の考え方|就学前児の取扱いについて
屋外でのマスク着用距離が確保できる
(2m以上を目安)
距離が確保できない
(2m以上を目安)
会話をするマスクは必要ない
(※1)
マスクの着用を推奨
会話がほとんどないマスクは必要ない
(※1)
マスクは必要ない
(※2)
※1
  • ランニングなど離れて行う運動
  • 鬼ごっこなど密にならない外遊び
※2
  • 徒歩での通勤など、屋外で人とすれ違うような場合

② 屋内でのマスク着用について

  • 他者との距離が確保できており会話がほとんどない場合は、マスク着用は必要ありません。会話を行う場合にはマスク着用を推奨します。
  • 距離が確保できない場合で会話を行うときはマスクの着用を推奨します。それに加えて、通勤電車の中など距離が確保できない場合で、会話をほとんど行わないときについても着用を推奨します。
マスクの着用の考え方|就学前児の取扱いについて
屋内でのマスク着用距離が確保できる
(2m以上を目安)
距離が確保できない
(2m以上を目安)
会話をするマスクの着用を推奨
(※3)
マスクの着用を推奨
会話がほとんどないマスクは必要ないマスクの着用を推奨
(※4)
※3

十分な換気など感染防止対策を講じている場合は外すことも可

※4
  • 通勤電車の中

子どものマスク着用について

人との距離(2m以上を目安)が確保できる場合においては、マスクを着用する必要はありません。また、就学前の子どもについてはマスク着用を一律には求めていません。

① 就学前児のマスク着用について

就学前児とは、保育所・認定こども園・幼稚園等に通う年代の子どものことです。

2歳未満マスクの着用は推奨しません。
2歳以上の就学前の子ども他者との距離にかかわらず、マスク着用を一律には求めていません。マスクを着用する場合には、保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意した上で着用しましょう。

② 就学児のマスク着用について

就学児とは、小学校から高校段階の子どものことです。

マスク着用の必要がない場面
屋外・人との距離が確保できる場合
・人との距離が確保できなくても会話をほとんど行わないような場合
【例】離れて行う運動や移動、鬼ごっこなど密にならない外遊び
【例】屋外で行う教育活動(自然観察・写生活動等)
屋内・人との距離が確保でき会話をほとんど行わないような場合
【例】個人で行う読書や調べたり考えたりする学習
学校生活屋外の運動場に限らず、プールや屋内の体育館等を含め、体育の授業や運動部活動、登下校の際
※運動部活動において接触を伴う活動を行う場合には、各競技団体が作成するガイドライン等を確認
※活動中以外の練習場所や更衣室等、食事や集団での移動を行う場合は、状況に応じて、マスク着用を含めた感染対策を徹底

マスクの着用の考え方|まとめ

屋外でのマスク着用が緩和したことにより過ごしやすくなりましたが、気を緩めすぎるとまた感染者が増加してしまうため、マスク着用が可能な場面ではマスクを着用した方がよいようにも思えます。

また、気をつけたいのが携帯電話の使用で、マスクをしていない状態で携帯電話を使用するときには、周囲の方との距離を気にする必要がありそうです。

新しいマスク着用の考え方を取り入れながらしっかりと感染対策をしていきましょう。