時事

逮捕ではなく書類送検される理由。『書類送検』について調べてみた

あるニュースで見た交通事故。

その事故では、2名の方が亡くなったが、人身事故を起こした方は、逮捕ではなく書類送検されたと報道されてました。

逮捕ではなく書類送検???

この「書類送検」というものは、どういうものなのでしょうか?

書類送検とは?

書類送検の説明をする前に、刑事事件が起きた場合のながれについて、まずはまとめていきます。

刑事事件が起きたときのながれ

通常、刑事事件が起こったときには、

  1. 警察が逮捕
  2. 警察が取り調べ
  3. 検察へ移動(警察がまとめた書類も一緒に)
  4. 検察が取り調べ
  5. 起訴・不起訴・起訴猶予が決定

というながれで進んでいきます。

このながれを見ると、捕まった方の身柄は、「警察⇒検察」というふうに移されていくことになっています。

そのことを考えると、刑事事件を起こした被疑者が、逮捕されない書類送検はとても不思議なことに思えます。

「書類送検」になるときの過程

通常なら逮捕される刑事事件ですが、ある条件を満たすことにより逮捕されないことがあります。

それは、事件を起こした被疑者が

  1. 逃亡のおそれがないこと
  2. 証拠隠滅のおそれがないこと

の条件が揃っている場合です。

このようなときには、警察は被疑者を取り調べのときだけ呼び出し、捜査を進めていきます。

そして、このような場合には、被疑者の身柄が拘束されていない状態で、取り調べた結果の書類を検察へ送ることで、捜査が検察にうつることになります。

通常、被疑者の身柄は警察にあるので、書類とともに検察へ移動させますが、この場合においては、被疑者は家にいるので”取り調べの書類”だけが検察に移動します。

これを、警察から検察に書類だけ送られることにちなんで「書類送検」と言います。

警察から検察に書類だけ送られる

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検察に書類だけ送られる

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書類だけ送られる検察に

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書類・送る・検察

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書類送検

書類送検だと罪が軽くなるのか?

証拠隠滅や逃亡のおそれがないから、家で普通に生活をしながら取り調べを受ける。

だからといって、罪が軽くなるわけではありません

あくまでも、証拠隠滅や逃亡のおそれがないということが前提なだけで、刑罰がどうなるかは、最終的に裁判所で確定されます。

なので、裁判の刑が確定するまで、家で過ごせていても、懲役刑を受ければ懲役に服さないといけなくなります。

逮捕されてから、保釈金を払って刑が確定するまで、家で過ごすことができる「保釈」という制度がありますが、書類送検においては、最初から家で過ごしているので、それよりも優遇されているように感じます。

被害者の心理は複雑

被疑者が「書類送検」になるときには、警察に逮捕されても拘留されているわけでもないので、自分の家である程度いつも通りの生活を送ることになります。

ただ、証拠隠滅や逃亡のおそれがないから取り調べのときだけ被疑者を呼ぶというのは、被害者側の立場に立つと気持ちは複雑だと思います。

今回、見たニュースも2人の方が亡くなりましたが、被疑者は家で生活を送りながら、必要なときに取り調べを行っていました。

刑事事件になるぐらいのことを起こしてるのに、証拠隠滅や逃亡の恐れがないから、家にいていいって・・・。

なんだそれ???って思っちゃいます。

もしも、自分が被害者側の家族だったらどう考えるか。。。

被疑者は、証拠隠滅や逃亡の恐れがないから、逮捕されずに取り調べのときだけ警察署へ出向き、普段は普通の生活を送っている。

これってかなり気分が悪いです。。。

しかも、事件が起きてから、警察や検察で取り調べを行って、最終的に裁判で判決が出るまで、結構時間がかかります。

疑わしい事件なのであったらまだしも、確実に犯罪を起こしている場合などは耐えられないと思います。

逃亡や証拠隠滅のおそれがないから、被疑者は書類送検で・・・という制度以上に、被害者へのフォローというものをしっかりと行っていく必要がありそうです。