放射線科

胃透視検査をくわしく解説

40歳を過ぎると健康診断で行うことがある「胃透視検査」

透視検査の中では、最もポピュラーな検査になります。

この胃透視検査について、どのような検査なのか、検査前の準備はどのようなことをしたらよいか、検査を受けるときの注意点などについてまとめてみました。

胃透視検査とは?

『胃透視検査』検査の概要とながれについて解説

胃透視検査は、透視検査の中で最もポピュラーな検査で、40歳を過ぎた頃からの健康診断で行われることがあります。

”胃を透視する検査”と名前がついている通り、「胃」を中心に「食道」や「十二指腸」の検査を行います。

検査は、胃の中を調べるので支障が出ないように検査前日の夕食から絶食し、バリウムと呼ばれる白いドロドロの液体を飲みながら検査を行います。

このバリウムが非常に飲みにくいのが特徴の検査です。

また、胃は風船のような臓器なので、膨らませて検査を行います。

膨らませるために使用するのが発泡散です。

この発泡散を飲むと、胃が膨らむのでゲップがしたくなります。

ゲップをすると、胃が縮んでしまうため我慢しなくてはいけません。

検査中は、バリウムを胃の壁につけながら撮影を行っていくので、立った状態での体位変換、寝た状態での体位変換と多くの体位を撮ります。

胃透視検査の特徴

  • 検査前日の夕方から絶食
  • バリウムを飲む(おいしくない)
  • 発泡散を飲む(ゲップを我慢しなくてはいけない)
  • 検査中に体をいろいろ動かす必要がある(ゲップをしたいのできつい)

胃透視検査で何がわかるの?

検査自体はかなり大変そうですが、胃透視検査ではどんなことがわかるのでしょうか?

胃透視検査では、食道・胃・十二指腸の潰瘍、ポリープ、癌などの粘膜病変のほか、形の異常などを診断します。

胃透視検査の重要性

日本での胃がんの死亡数は2016年の統計で、男性2位、女性4位、男女3位となっています。

癌はステージ(進行度)により予後に大きな影響が出るので、早期発見早期治療が重要になります。

胃透視検査はきつい検査だとしてもとても重要なものになります。

「胃透視検査」の検査手順

胃透視検査は検査の前日から検査の終了まで、以下のような手順で撮影されます。

① 検査の前日

胃透視検査は主に胃を検査します。

そのため、検査中に胃の中に食べた物が残っていると、きちんとした検査ができません。

正確な検査を行うために、検査前日から食事制限を行います。

服用中の薬については、前もって病院に相談し、検査前に飲んでよいか確認をしておきます。

食事

  • 食事は軽食、午後7時ぐらいまで済ませる。その後は水のみ。
  • アルコールは飲まない。

検査前日までに病院に相談する。

② 検査の当日

検査当日も、食事制限をします。

また、検査当日は検査終了まで水分も控えた方がよいです。

また、検査の際には検査着に着替えますので、着替えやすい服装で病院へ向かいます。

食事

検査の当日には、水分・食事はいっさい取らない(絶飲食)。

病院の指示に従い、服用します。

服装

検査前に検査着に着替えるので、着替えやすい服装で病院に行きます。

③ 胃透視検査の直前の準備

胃透視検査の検査時間は、15分~20分ほどです。

トイレを済ませておきます。

また、検査は検査着に着替えて行います。

胃透視検査の画像に影響が出ないように、時計などははずす必要があります。

着替え

湿布、エレキバン、時計、ネックレス、ブラジャーなどははずしてもらいます。

女性の方は、スポーツブラを着用しているとはずす必要がなくなります。

④ 胃透視検査のながれ

胃透視検査のながれを簡単に説明すると、以下のようになります。

  1. 胃の動きを止める注射をする。
  2. 「発泡剤(胃を風船のように膨らませる薬)」を飲む。
  3. バリウム(ドロドロした白い液体)を飲む。
  4. いろいろな体勢で写真を撮る。
    • 立位(立った状態) 正面向き
    • 立位(立った状態) 斜め向き
    • 仰向け(あおむけ) 正面向き
    • 仰向け(あおむけ) 斜め向き
    • うつぶせ 正面向き
    • うつぶせ 斜め向き
    • 仰向け(あおむけ) 腹部圧迫
  5. 5.検査終了後、下剤を飲む。

胃透視検査で気を付けること!!

胃透視検査を受けるにあたって、気を付けることがあります。

「発泡剤」について

発泡剤は胃透視の検査を行う直前に”胃を膨らませるため”に飲みます。

その量は大さじ1杯分ほどの白い粉薬です。

ただ、この少ない量でも水分を含むとすごい勢いで泡が発生します。

そのため、あっという間に胃がパンパンに膨らみます。

胃が膨らむということは、すごくゲップをしたくなります。

胃透視の検査は、胃を膨らませた状態で行っていくので、ゲップはしないように言われます。

ちなみに、発泡剤をうまく飲めずに口の中に溜め込んでしまうと、口の中で大量の泡が発生してしまう事になるので、カニのように泡を口から吐き出すことになります。

くれぐれも気を付けましょう。

「バリウム」について

バリウムは、発泡剤で膨らんだ胃の壁に付着させるために飲みます。

胃透視の検査はこの付着したバリウムを撮影していくことで、胃壁の異常を探します。

ただ、このバリウムを飲むことがこの検査の一番の難関になります。

とにかく、ドロドロして飲みにくく味も微妙です。

しかも、胃が膨らんでゲップを我慢している状態で飲むので飲みにくさが倍増します。

味については、最近、イチゴ味、チョコ味、バナナ味、抹茶味、バニラ味などバリエーションも増えてきました。

「検査中の体位」について

胃透視検査では、胃をいろいろな角度から撮影します。

胃透視の検査のカメラは角度をつけることができない作りになっているため、診療放射線技師さんの指示に従って様々な体勢をとる必要があります(例:体の左側を少し前に出す、体の右側の少し前に出す、後ろを向くなど)。

普段はきつくない体勢ですが、発泡剤でゲップを我慢していることと、バリウムがドロドロして飲みにくいことでかなりきついです。

また、体を動かすことによりゲップも出やすくなるので注意が必要です。

「下剤の服用」について

胃透視の検査では、バリウムを使用しますがバリウムは固まりやすい性質を持っています。

そのため、検査終了後は腸内で固まらないように下剤を服用し、速やかに体外に排出するよう促します。

ちなみに、バリウムが体内から排出されている間は”うんこが真っ白”になります。

もしも、胃透視の検査後2~3日の間にお腹のレントゲン検査などを行うときには、検査時に診療放射線技師さんに伝える必要があります。

バリウムが体内に残っていた場合には、検査の妨げとなり検査ができない場合があるからです。

胃透視検査の写真

『胃透視検査』検査の概要とながれについて解説
食道
『胃透視検査』検査の概要とながれについて解説
胃(白い部分はバリウム)
『胃透視検査』検査の概要とながれについて解説
胃(白い部分はバリウム)

胃透視検査は、バリウムを食道の壁や胃の壁に付着させ、その形状などを調べる検査です。

写真2つ目と3つ目の白い部分は、バリウムが溜まった部分です。

その他の部分は、バリウムが薄く付着することによって胃壁のひだが見えやすくなっています。

検査中は、胃の中に入っているバリウムを患者様の体の方向や向きを変えながら胃壁に付着させるため、体位変換をたくさん行います。

胃透視検査で行う体位(一部)

  • 立った状態(正面)
  • 立った状態(斜め向き)
  • あおむけ
  • あおむけで頭が下がった状態
  • うつぶせ
  • うつぶせで頭が下がった状態
  • 胃を圧迫した状態

胃透視検査はどこですることができるのか?

胃透視検査は、どこの病院でも行われているわけではありません。

胃腸科を専門に掲げている病院やクリニック胃透視検査を行うために巡回している検診車で行われています。

  • 〇〇胃腸科外科病院
  • 〇〇内科胃腸科病院
  • 〇〇胃腸科クリニック
  • 胃透視検診車(胃透視の機械をつんだトラックの中で行う)

胃透視検査を受けるにあたっては、絶飲食などの準備がいるため病院に行ってすぐにしてもらえるわけではありません。

もし、希望する場合には前もって受診する病院に相談してからがいいと思います。

きちんと診断してもらうために大切なこと!!

胃透視検査は、基本的にその施設の診療放射線技師が行います。

そのため、その診療放射線技師の経験によって上手、下手があります。

そして、撮影した画像を診断するのはその施設の医師なので、医師の読影レベルでも診断能力は変わります。

検査を受けるのであれば、きちんとした病院を受診した方が良いです。

では、たくさんある病院の中からどのように胃透視検査を受ける病院を選択したらよいのでしょうか?

まず第一に、「どのくらい検査を行っているか」の確認です。

検査数が多いということは、それだけ多くの症例を診ているということです。

また、検査数が多い病院ほど診療放射線技師の教育にも力を注いでいます。

胃透視検査に慣れた診療放射線技師がいることは正確な検査をしてもらうために重要なことです。

第二に、「放射線科の読影医がいるか」の確認です。

これは、外部の読影センターに画像を読影してもらっていても大丈夫です。

読影医がいる病院では、検査画像を主治医と読影医、2つの目で確認することになります。

つまり、小さな異常の見落としが減るということです。

自分の身体をきちんと診断してもらうために、自分の身体を安心して任すことができる病院を調べることは大切なことです。

インターネットなどで自分が検査を受ける病院を前もって調べるようにするのが大切です。