放射線科

「胃透視検査」と「胃カメラ検査」の違いは?

胃がん健診を受ける際に実施される「胃透視検査」「胃カメラ検査」

胃がんの種類にも、早期がんや進行がんなど種類がありますが、どちらの検査においても診断することは可能です。

ただ、それぞれの検査の方法や内容はまったく異なります。

今回は、この2つの検査にどのような違いがあるのかをまとめていきます。

胃透視検査とは?

【医療・介護】「胃透視検査」と「胃カメラ検査」の違いは?

胃透視検査は、透視検査の中で最もポピュラーな検査であり、”胃を透視する検査”と名前がついている通り、胃を中心に食道や十二指腸の検査を行います。

検査は、検査前日の夕食から絶食し、胃を空にした状態でバリウムを飲みながら検査を行います。

このバリウムが非常に飲みにくいのが特徴の検査です。

また、検査中は発泡散と呼ばれる胃を膨らませる薬を飲んで行います。

胃が膨らんでいる状態なので、ゲップを我慢しなければならないのもとてもきついです。

その上、検査中は、立った状態での体位変換、寝た状態での体位変換と多くの体位をとる必要があります。

胃透視検査の検査手順

  1. 前日の夕方から絶食(昼食は軽食ですます)
  2. 当日、検査前の前処置(胃の動きを抑える注射など)
  3. 検査実施(バリウムを飲みながらX線撮影:約20分)
  4. 検査終了(下剤投与によりバリウムを体外へ排出)

【医療・介護】「胃透視検査」と「胃カメラ検査」の違いは?
胃透視検査で撮影された胃の画像

胃カメラ検査とは?

【医療・介護】「胃透視検査」と「胃カメラ検査」の違いは?

胃カメラ検査も、胃透視検査と同じように胃がん健診においてポピュラーな検査になっていて、最近では、胃カメラ検査の方が件数は増えてきています。

検査は、”胃のカメラ検査”と名前がついている通り、胃の中を直接カメラで診ていきます。

検査は、胃の中を調べるので支障が出ないように検査前日の夕食から絶食し、当日は横向きに寝た状態で、口または鼻からカメラを挿入していきます。

胃カメラ検査において一番きついのはこのカメラを挿入するときです。

検査前に喉の麻酔をスプレーで行うのですが、それでもきついです。

時間に余裕がある方は眠らせてもらう麻酔をお願いする方がいいです。

胃カメラ検査の検査手順

  1. 前日の夕方から絶食(昼食は軽食にします)
  2. 当日、検査前の前処置(咽頭反射がないように喉に麻酔、または全身麻酔)
  3. 検査実施(内視鏡カメラを喉か鼻から挿入:約5分)
  4. 検査終了(麻酔がきれるまで安静)

「胃透視検査」と「胃カメラ検査」の違い

胃透視検査と胃カメラ検査の違いについてまとめてみました。

① 検査前の準備

胃透視  : 絶食

胃カメラ : 絶食

どちらの検査も胃の中を空にして行う必要があるので、検査前日の昼は軽食で済ませ、夜は絶食にします。

検査前の準備については、病院ごとで違う場合があるので、確認してください。

ちなみに、もし間違って食べてしまった場合ですが、胃の中に食べたものが入っている状態になりますので、きちんと検査ができなくなります。

② 検査の時間

胃透視  : 約20分

胃カメラ : 約5分

胃透視検査

胃透視検査では、診療放射線技師さんの指示に合わせていろいろな体位で撮影を行うので、検査を受ける患者さんの協力が必要になります。

そのため、撮影方向や息止めなど患者さんがうまくできないと検査に時間がかかることになります。

胃カメラ検査

胃カメラ検査では、口から内視鏡カメラを入れて検査をするので、横向きに寝た状態で動く必要はありません。

そのため、内視鏡カメラが胃の中までうまく挿入されてしまえば、スムーズに検査が終了します。

③ 検査できつい部分

検査を受ける上できつい部分は以下の通りです。

胃透視検査

胃透視検査は、バリウム(白いドロドロの液体)を飲み、発泡散(はっぽうさん)という胃を膨らませる薬を飲んで検査を行う必要があります。

胃が膨らんでいるためゲップが出そうになりますが、ゲップをすると胃がしぼんでしまうので検査中はゲップをしないようにしないといけません。

もし、ゲップをしてしまい、検査に支障がでるほど胃がしぼんだ場合は、発泡散を追加で飲まないといけなくなります。

検査中に飲んだバリウムは固まりやすく、お腹の中で固まってしまった場合には手術が必要になることがあります。

そのため、検査終了後は下剤を飲み、バリウムを早めに体から出すようにします。

  • 発泡散(はっぽうさん)で胃がパンパンに膨らむので苦しい。
  • バリウム(白いドロドロの液体)がすごくまずい。
  • 最近では、イチゴ味やバナナ味など出たがそれでもまずい。
  • 検査後に下剤を服用しないといけないため苦しい。

胃カメラ検査

胃カメラ検査では、口から内視鏡カメラを挿入し、内視鏡カメラはホースのような長い管です。

水道用の長いホースを口から胃まで入れるイメージです。

人は、喉の奥に物があたると「嚥下反射」といって吐こうとします。

指を口の奥に入れると「おぇ」っとなるのが嚥下反射です。

検査は、喉にスプレータイプの麻酔をするか、注射で眠った状態で行うため、嚥下反射は起きにくいですが喉へのスプレータイプでは苦しい場合が多いです。

  • 口からホースを入れていく感覚の検査なので、麻酔が弱いとかなり苦しい。
  • 病院によっては、麻酔を使うので車で帰宅をさせてくれない場合がある。

④ 診断について

検査の手技と流れを考えたときに以下のようになります。

胃透視検査

  1. 胃透視検査 ⇒ 診療放射線技師が検査をする。
  2. 写真の診断 ⇒ 読影医・主治医が写真を見る。
  3. 検査の説明 ⇒ 主治医が説明をする。

胃透視検査は、診療放射線技師さんが検査を行うため、診療放射線技師さんの経験や知識量によって検査の正確性が変わってしまいます。

検査を受ける際には、胃透視検査を行っている件数が多い病院を受診する方が、ある程度経験のある診療放射線技師さんの検査を受けることができます。

胃カメラ

  1. 胃カメラ検査 ⇒ 内視鏡医・主治医によって検査を行う。
  2. 検査の説明 ⇒ 主治医によって説明をする。

胃透視検査はX線写真で胃の形や胃壁のひだの形を診ます。

胃カメラ検査では、内視鏡カメラによって直接胃壁を観察し、異常があればその場で染色するなどして診断をしていきます。

そのため、どうしても直接胃を診察する胃カメラ検査の方が診断能力は高くなります

⑤ 被ばくについて

胃透視検査と胃カメラ検査の違いについて一番の相違点はX線の被ばくがあるかどうかです。

胃透視検査

胃透視検査は通常約20分で検査は終了しますが、その間のほとんどの時間X線を浴びることになります。

しかも、担当の診療放射線技師さんが不慣れな場合にはさらに時間が伸びていきます。

胃カメラ検査

胃カメラ検査では、X線を用いないのでもちろん被ばくはありません。

まとめ

胃がん検診を受ける際には、総合的に考えると、胃カメラ検査の方が胃透視検査に比べ、優れているように感じます。

ただ、胃透視検査が胃がん検診に適していないわけではないので、胃カメラ検査が苦手な方は胃透視検査を受けても良いと思います。

がん検診については、厚生労働省が50歳以上の対象者に対し、「問診に加え、胃部エックス線検査または胃内視鏡検査のいずれか」を受けるように推進しています(胃部エックス線検査は40歳以上)。

国民の2人の1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で死亡している現在において、自分が「がん」に罹患しないようにがん検診を受けることはとても大切なことです。

きちんと胃透視検査か胃カメラ検査を受けるようにしましょう。