放射線科

「CT検査」と「MRI検査」の違いは?

CT検査とMRI検査

病院で行われる「CT検査」「MRI検査」

この2つの検査は、その検査の手順や装置の形が似ているため、検査を受ける側としては何が違うのかがよく分かりません。

ただ、装置の原理や撮影している画像の中身はまったく異なるものになります。

CT検査

「CT検査」と「MRI検査」の違いは?

「CT(Computed Tomography)検査」は、X線を使って身体の断面の写真を撮影する検査になります。

また、撮影し収集した画像データを用いて、骨や血管の3D画像を作成することも可能です。

骨の撮影をする場合では、単純レントゲン撮影では見えずらい細かい骨折部分まで診断することが可能であり、血管の撮影をする場合では、血管が閉塞している部分の診断に有用です。

MRI検査

「CT検査」と「MRI検査」の違いは?

「MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査」は、磁気を使って身体の断面の画像を作成する検査になります。

撮像は、体の水分子の量に影響されるので、水分を多く含んでいる脳や軟部組織の検査に重要視されています。

ただ、水分をあまり含まない骨や空気(ガス)が多い腸管などの撮像には不向きです。

2つの検査の違いは?

CT検査とMRI検査では何が異なるのか?

この2つの検査の違いを以下の6つの項目で比較しました。

  1. 撮影原理
  2. 撮影方法
  3. 放射線被ばく
  4. 画像
  5. 撮影時間
  6. 検査で調べるもの

① 撮影原理

撮影原理とは、撮影をするときにどのようなものを利用して画像を作り出しているかということです。

CT装置とMRI装置では、根本的にこの部分が異なります。

CT検査では、X線を利用し体の断面の画像を撮影していて、その画像は体の部位のX線の吸収率によって変化します。

X線の吸収率の高い骨の撮影に優れていて、細かい骨折の撮影を行うこともできます。

また、それに加えて造影剤を使用することによって血管の撮影を行うこともできます。

MRI検査では、磁力を利用し体の断面の画像を撮像していて、その撮像した画像は体の水分子の量によって変化します。

そのため、水を含んでいない骨などの物質の撮像は苦手です。

② 撮影・撮像方法

CT検査とMRI検査は、共に寝台に寝た状態で検査を行い、どちらも体が動かないように固定を行います。

固定は、体を動かすことによって検査に支障が出ることを防ぐ目的と寝台から落下することを防ぐ目的があります。

CT検査では、寝台を動かしながら撮影を行うので、撮影中は、寝台がガントリの中へ出たり入ったりします。

ガントリは、MRI装置に比べ小さいため、患者は圧迫感もそれほど感じません。

MRI検査では、検査部位がガントリの中心にくるように寝台が移動し、検査終了までその位置で固定されます。

また、検査部位には専用のコイルを取り付けるので、CT検査に比べ、圧迫感をものすごく感じると思います。

MRI装置は強い磁力を発しているので、更衣はとても重要で、ヘアピンやネックレス、ピアスなどははずして入室をしなくてはいけません。

圧迫感が強く、磁性体に注意が必要なことを考えると、MRI検査の方が患者への負担は大きいように感じます。

③ 放射線被ばく

X線を使用しているCT検査は、放射線被ばくがあります。

しかも、その被ばくの量は健康診断で行われる胸部レントゲン撮影の100~200倍とされています。

それに比較し、MRI検査では磁力を使用しているので放射線被ばくはまったくありません。

④ 画像

CT装置、MRI装置において、同一部位を撮影・撮像し画像を見比べても、同じ断面像にしか見えません。

ただ、X線の吸収率を利用しているCT装置と、磁力を利用しているMRI装置で画像の作り方がまったく異なるので、その画像も専門的に見るとまったく異なる画像になります。

このことは、骨がどのような画像になるかを考えると分かりやすいです。

CT装置では、X線吸収率の大きい骨は白く画像に表示されます。

一方、MRI装置では、水分子をあまり含まない骨の画像表示はあまりされません。

⑤ 検査時間

検査時間は、CT検査の方が5~15分程度で終了するので短くてすみます。

それに比べ、MRI検査は医師の指示により約5分の撮像を複数回繰り返していきます。

そのため、5つの種類の撮像の指示があれば、「5分・5分・5分・5分・5分」=25分の撮像時間になります。

この指示が増えれば、その分検査時間は増えていくので、MRI検査はCT検査に比べ、時間がかかる検査と言えます。

⑥ 検査で調べるもの

CT検査とMRI検査は、撮影する原理が異なるため、疾患に対しての描出能も異なります。

どちらの検査を行うかは、診療をしている医師の判断によりますが、どちらの検査も行う場合もあります。

CT検査で調べる主なもの
  • 脳出血
  • 肺癌・肺炎・気胸
  • 骨折
  • 尿路結石
  • 狭心症(冠動脈のつまり)
  • 腸閉塞   など

MRI検査で調べる主なもの
  • 脳梗塞
  • 脳動脈瘤
  • 軟骨
  • 靭帯
  • 神経
  • 子宮・卵巣
  • 前立腺・膀胱   など

まとめ

CT検査とMRI検査は、見た目は同じような感じですが、その中身には大きな違いがあります。

それぞれの特徴を比較したものを表にまとめました。

CT検査MRI検査
撮影原理X線
(X線の吸収に関係)
磁力
(水分子の量に関係)
撮影方法寝台に寝た状態で撮影
(寝台は撮影中に動く)
寝台に寝た状態で撮影
(寝台は撮影中は固定)
放射線被ばくありなし
画像骨は白く、空気は黒
(X線の吸収率による)
骨、空気は無信号
(水分子の量による)
検査時間短い
(5~15分)
比較的長い
(20~40分)
撮影費用
(おおよそ)
10,000~15,000円
(3割負担:3,000~5,000円)
13,000~21,000円
(3割負担:4,000~7,000円)
メリット比較的短時間で撮影できる
骨折の撮影に優れる
X線被ばくがない
軟部組織の撮像に優れる
デメリットX線被ばくがある撮影時間が長い
かなり狭く圧迫感が大きい

表を見て分かるように、見た目は似たような装置でも、その中身は大きく異なります。

細かいことを挙げれば、もっとたくさん異なる部分があるのでしょうが、今回は簡易的に代表的な部分を挙げてみました。

気になる方は参考にされてください。