仕事を”こなす職員”と仕事が”できる職員”｜その違いはどこにある？

職場において”仕事をしていること”と”会社に貢献していること”は異なります。

そして、このことには職員の「視野の広さ」と「思いやり力」が大きく関わっています。

この「視野の広さ」と「思いやり力」がどのようなものなのかをまとめていきます。

仕事への向き合い方と会社への貢献度

質問です。

①～③の3種類の職員がいたとします。

この中で、どの職員が ”仕事をきちんとしている職員” だと思いますか？

1. 自分の仕事のみをこなしている職員
2. 自分の仕事をこなした上で、上司のフォローを行っている職員
3. 自分の仕事をこなした上で、上司のフォローをし、さらに同僚の仕事のサポートもしている職員

一見、”③”の職員が仕事をきちんとしている職員のように思います。

ですが、①～③の職員はどの職員も自分の仕事をきちんとこなしています。

つまり、その人自身に与えられた仕事はきちんとしているわけです。

それを考えると、①～③のすべての職員が ”仕事をきちんとしている職員” ということになります。

それでは質問を変えてみます。

あなたは①～③の職員の中でどの職員が一番 ”会社に貢献” していると思いますか？

この質問だと”③の職員”が一番会社に貢献していると答えられると思います。

会社への貢献度を考えると、自分の仕事をこなすだけの職員でなく上司や部下などまわりのスタッフをサポートできているかどうかも重要になってきます。

自分に与えられた業務に加え、自主的にその他の業務も行えるかどうかが ”会社への貢献度” の違いになります。

「視野の広さ」と「思いやり力」

会社への貢献度は自分に与えられた仕事以上の何かを行うことで高まります。

そして、貢献度の高い職員ほど仕事ができる人が多く、他の職員に比べて「視野の広さ」と「思いやり力」を兼ね備えています。

仕事ができる人の「視野の広さ」

仕事ができる人の「視野の広さ」とは、自分の仕事だけではなくまわりのスタッフの仕事の状況をどのくらい把握できるかの能力です。

視野が広いほど自分が行っている業務への理解度も高まり、他のスタッフよりも良い仕事ができます。

この視野の広さには「横方向への視野の広さ」と「縦方向への視野の広さ」があります。

横方向への視野の広さ（同僚への目配り気配り）

”横方向への視野の広さ” は「同僚の仕事の状態を見えているかどうか」です。

同僚の仕事が見えていれば、その分相手に合わせたタイミングで連携が取れますし、また何かアクシデントがあったとしてもすぐにフォローにまわることもできます。

周りが見えておらず自分の業務しか見えていない職員は、周りの状況も把握できないため、周りの職員に合わせてもらうことしかできません。

また、合わせてもらっていることに気付くことすらできない場合が多いです。

縦方向への視野の広さ（上肢・部下への目配り気配り）

”縦方向への視野の広さ” は、「上司・部下の仕事の状態を見えているかどうか」です。

上司・部下の仕事が見えていれば、上司の求めている仕事への対応が早くなるし、また部下への指示出しやフォローなども早く行うことができます。

職場において職員同士の連携がうまくいけば、個人個人で業務を行うよりも多大な成果を上げることができる場合が多いです。

自分がどのように行動することでどのような結果になるのか、常日頃から考えて行動できるかどうかが重要になります。

仕事ができる人の「思いやり力」

前項において仕事ができる人の”視野の広さ”について説明しましたが、ただ視野が広いだけではダメです。

この視野の広さに加えて、誰かが困っているときに手助けをすることができる「思いやり力」が重要になります。

そして、この思いやり力は自己評価で判断するのではなく、他者評価で判断することが大切です。

自分自身が目配り気配りをしているつもりでも、まわりのスタッフがそれを不快に感じているならば”思いやり”にはならないからです。

「視野の広さ」と「思いやり力」の組み合わせで変化する職員の質

下に、「視野の広さ」と「思いやり力」の組み合わせを4つ表示してみました。

• 視野が狭い・思いやり力なし
• 視野が狭い・思いやり力あり
• 視野が広い・思いやり力なし
• 視野が広い・思いやり力あり

それぞれの組み合わせで職員の質がどのように変化するかをまとめていきます。

視野が狭い・思いやり力なし

「視野が狭く、思いやり力もない」、つまり自分の仕事のみを淡々とこなしている職員です。周りが困っていても気づくこともありませんし、自分が助けてもらっていることにもあまり気づけません。会社的には与えた仕事をこなしているので問題はありませんが、他のスタッフからすると連携が取りづらい職員になります。

視野が狭い・思いやり力あり

「視野が狭いが、思いやり力はある」、思いやり力はあるのでまわりへの気遣いやサポートはしてくれます。ですが、そのサポートをまわりのスタッフが必要としているかどうかは視野が狭いため微妙になります。ときには、そのサポートがただのおせっかいになってしまい、相手を不快にさせてしまうこともあります。

視野が広い・思いやり力なし

「視野が広いのに、思いやり力はない」、視野が広いので部下や上司の動きに敏感で、自分の出世になることはきっちりこなします。ただ、思いやり力はないので他の職員が困っていてもまったく興味はありません。むしろ、人の不幸を喜んでしまう厄介な職員です。仕事ができる分、目立ちやすいので上司からの評価も高い場合が多いのですが、部下や同僚からは嫌われます。

視野が広い・思いやり力あり　

「視野が広く、思いやり力もある」、リーダーとしてほしい一番優れた職員です。多くの部下や同僚からは慕われる傾向にありますが、自分の出世に敏感なヒラメ職員からは煙たがられる傾向にあります。とくに、同じ部署や会社に野心が強いヒラメ職員がいる場合には、大きな揉め事に発展することもあります。

こなす職員とできる職員｜まとめ

職場において「仕事をしていること」と「会社へ貢献している」ことの違いを知ると、仕事に対する自分の視野が広がります。

仕事の視野を広げて思いやりある行動を心掛ける、このことで”できる職員”へと成長していくことができます。

くれぐれも”ヒラメ職員”にはならないように気をつけましょう。